「糸を紡ぐ」

「糸を紡ぐ」

アルパカの糸を紡ぐ作業は、まず原料となるアルパカの毛を、コーマと呼ばれる櫛(くし)のようなものに通して、風合いを損ねてしまう短い繊維や、小さなごみを取り除くことから始まります。

繊維の向きを整える機械に5~6回通した後、徐々に繊維の束を細くしていくドラフトという工程を経て、最終的に機械で糸に仕上げていきます。

 「TOQUE」に使われる糸は、アルパカ糸の扱いにおいて確かな技術を持つ、愛知県一宮市の東和毛織で作られた糸を使っています。

糸に仕上げた後、撚りをかける撚糸(ねんし)と呼ばれる作業がとても大切です。

糸は撚り合わせることで強度が出てしなやかになり、撚りをかける回数や方向を変えることで、その糸で作られる生地の風合いや質感が変わってきます。例えば強く撚りをかけた糸だとシャリ感のある生地になるように、同じ色、同じ太さの糸でも、撚り方が違うだけで色の見え方も変わります。

ベビーアルパカの原料は、繊維自体が長く、ウールに比べて滑りやすいため、撚る回数を多くしなければ糸としての強度が足りなくなってしまいます。また、ウールに比べて撚る速度も遅くしなければならないなど、非常に手間がかかるのです。

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